入出庫実績データを活用したデータ分析

目次
企業のサプライチェーン管理において、入出庫実績データは極めて重要な情報源です。
これらのデータを分析することで、在庫管理の最適化、需要予測の精度向上、サプライチェーンの効率化など、多岐にわたるメリットが期待できます。
入出庫データを使って以下のような集計分析ができます。
- 特定期間の売れ筋商品
- 特定期間の不人気商品
- 担当者別の入出庫実績
- 入出庫比率
- 平均出庫数
- ABC分析
入出庫実績データの重要性
サプライチェーンにおける入出庫実績データは、まさに企業の活動を映し出す鏡です。
製品の原材料調達から製造、出荷、そして顧客への納品に至るまで、あらゆる段階で発生する入出庫の記録は、企業の活動を可視化し、改善のための羅針盤となります。
小売店でも卸売業でも製造業でも入出庫データは企業の活動を可視化します。
これらのデータを適切に分析することで、企業はサプライチェーン全体の健全性を把握し、問題点を早期に発見し、迅速な対応策を講じることが可能になります。
現代のビジネス環境は、常に変化し、予測が困難です。
このような状況下では、過去の経験や勘に頼るのではなく、データに基づいた意思決定が不可欠となります。
入出庫実績データは、過去の傾向やパターンを明らかにし、将来の需要を予測するための重要な情報を提供します。
これにより、企業は需要変動に柔軟に対応し、在庫の最適化や生産計画の調整を行うことができます。
また、リアルタイムでのデータ活用は、サプライチェーンの効率化に大きく貢献します。
例えば、IoTセンサーと連携することで、倉庫内の在庫状況や輸送中の製品の状態をリアルタイムで把握することができます。
これにより、在庫切れや遅延などの問題を未然に防ぎ、顧客満足度の向上に繋げることができます。
このように、入出庫実績データは、企業のサプライチェーン管理において、戦略的な意思決定、リスク管理、そして効率化のための基盤となる重要な情報源です。
データ分析を成功させるためのポイント

データ分析を効果的に行い、ビジネスの意思決定に役立てるには、以下のポイントを押さえることが重要です。
1. 分析目的の明確化
- 何を分析したいのか、どのような課題を解決したいのかを明確にする。
- 目的が曖昧なまま分析を始めると、結果を有効活用することが難しくなる。
2. 適切なデータ収集と管理
- 分析に必要なデータを正確に収集し、適切に管理する。
- データの品質が低いと、分析結果の信頼性が損なわれるため、データの正確性と整合性を確保する。
3. 分析結果の解釈と活用
- 分析結果を正しく解釈し、具体的なアクションにつなげる。
- 専門家の意見や他のデータとの比較を活用して、解釈の精度を高める。
4. 関係部署との連携
- 分析結果を関係部署と共有し、協力して改善策に取り組む。
- データ分析は一部の部署だけで行うものではなく、全社的な取り組みとして進めることが重要。
5. 継続的なデータ分析体制の確立
- 一度きりで終わらせず、継続的にデータ分析を行い改善を繰り返す。
- データ分析を継続的な改善ツールとして活用することで、高い効果が期待できる。
これらのポイントを意識することで、データ分析を成功させ、ビジネスの意思決定に役立てることが可能になります。
無料分析ツールLooker Studioを使ってデータ分析する
Looker Studioは、Googleが提供する無料のデータ可視化ツールです。
入出庫実績データをLooker Studioに取り込むことで、専門的な知識がなくても、簡単に入出庫実績データの分析を行うことができます。
Looker Studioを使用するメリットは、まず無料で利用できることです。
高価な分析ツールを導入する必要がないため、コストをかけずにデータ分析を始めることができます。
次に、多種多様なデータソースに対応していることです。
Googleスプレッドシート、データベース、クラウドストレージなど、様々なデータソースからデータを取得し、統合することができます。
基幹システムやECサイトでは実績データをCSV出力することができため、それを活用することができるのです。

これにより、複数のデータソースに分散している入出庫実績データをまとめて分析することができます。
また、豊富なグラフとチャートが用意されており、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなど、様々な種類のグラフやチャートを作成することができます。
これにより、入出庫実績データを分かりやすく可視化し、分析結果を直感的に把握することができます。
さらに、カスタマイズ性が高く、グラフやチャートの色、フォント、レイアウトなどを自由にカスタマイズすることができます。
これにより、自社のブランドイメージに合わせたレポートを作成したり、分析結果をより分かりやすく表現したりすることができます。
そして、共有と共同作業が容易であることもメリットです。
作成したレポートを他のユーザーと共有したり、共同で編集したりすることができます。
これにより、チームで協力してデータ分析を行い、効率的に意思決定を行うことができます。
Looker Studioを活用することで、専門的な知識がなくても、簡単に入出庫実績データの分析を行うことができます。


上記データは、入出庫実績データのみを使って作成しています。
フィルターの設定が可能なため、特定の商品のみの分析をすることもできます。
エクセルやスプレッドシートで上記のような分析資料を作成できないことはないですが、様々な関数を駆使し、加工し、シートを複数活用する必要があります。
Looker Studioを使って今すぐにでもデータ分析したい方はご連絡ください。
基幹システムやエクセルで蓄積したデータを活用するサポートをいたします。
今後の展望とデータ分析の進化
データ分析の技術は、日々進化しており、入出庫実績データの分析も例外ではありません。
今後の展望としては、AI・機械学習を活用した高度な分析、IoTとの連携によるリアルタイムなデータ活用、そしてサプライチェーン全体の最適化などが挙げられます。
AI・機械学習を活用することで、過去の入出庫実績データから未来の需要をより正確に予測したり、異常なパターンを早期に発見したりすることが可能になります。
これにより、在庫管理の最適化やリスク管理の強化に繋げることができます。
IoTとの連携により、倉庫内の在庫状況や輸送中の製品の状態をリアルタイムで把握することができます。
これにより、在庫切れや遅延などの問題を未然に防ぎ、顧客満足度の向上に繋げることができます。
この記事の筆者
佐藤 徳洋
日本物流学会会員、在庫管理アプリMonoCの運営を行う。
東証プライム企業のシステムエンジニアとして働いている中で、古いシステムでは令和の業務を支えられないと感じ、新しい業務のやり方を模索中。