【無料】在庫管理アプリおすすめ5選!比較表と選び方を元SE解説

「在庫管理をシステム化したいけれど、コストはかけたくない」 「まずは無料で試して、使い勝手を確認したい」
このようにお考えではないでしょうか? エクセルや紙での管理に限界を感じつつも、いきなり有料のシステムを導入するのはハードルが高いものです。
この記事では、元システムエンジニアであり日本物流学会会員でもある筆者が、無料で使えるおすすめの在庫管理アプリを厳選してご紹介します。
結論:小規模なスタートなら無料アプリで十分成果が出ます。ただし、機能制限には注意が必要です。

1. 無料の在庫管理アプリで何ができる?

無料の在庫管理アプリといっても、最近のものは非常に高機能です。 「タダより高いものはない」と警戒する方もいるかもしれませんが、多くのアプリは「基本機能は無料、高度な機能は有料」というフリーミアムモデルを採用しており、無料版でも実務に耐えうる機能を備えています。

スマホがハンディターミナルに変わる

最大の特徴は、スマートフォンのカメラを使ってバーコードやQRコードを読み取れる点です。 専用のハンディターミナル(1台数十万円)を購入する必要がなく、手持ちのスマホですぐに検品や棚卸作業を始められます。

リアルタイムな情報共有

クラウド型のアプリであれば、データはインターネット上に保存されます。 「倉庫でAさんが入庫入力」→「事務所でBさんが在庫確認」といった連携が、タイムラグなく行えます。これはエクセル管理では実現できない大きなメリットです。

2. 無料在庫管理アプリおすすめ5選【比較表】

数ある在庫管理アプリの中から、無料で利用開始でき、かつ評価の高い5つのアプリを比較しました。
アプリ名特徴プランの制限スマホ対応PC対応
MonoCシンプルで直感的。 迷わず使える操作性が魅力。現場で十分に活用できる。登録数に制限あり△(Web)
ロジクラ通販・EC物流に強い。出荷指示機能が充実。出荷件数・拠点数に制限あり。
Inventy家族やカップルでの共有に最適。無料プランは広告が表示される。×
zaico機能が豊富。好みが分かれる使い勝手。無料だと機能制限が厳しい。小売業向け。△(Web)
Tana誰でも使える簡単操作。チーム共有に特化。機能制限は少ないがサポート等は有料?
ハウメニ備品管理や日用品管理に最適。複数人での利用ができない。×
Square リテールPOS店舗販売と在庫管理を連動させたい場合に最強。高度なレポート機能などは有料
スマートマットクラウド重量センサーで在庫管理。※無料プランなし (要ハードウェア導入)
※2025年12月時点の情報です。最新のプラン内容は各社公式サイトをご確認ください。

筆者の視点

「とりあえずバーコード管理を試したい」「難しい機能はいらない」という場合は、MonoC が導入のハードルが低く、最もおすすめです。直感的な操作で、マニュアルを見なくても使い始められる点が、小規模な現場にマッチします。 一方、将来的にECサイト(Shopifyなど)との連携を見据えているなら、ロジクラSquare のような拡張性の高いアプリを選ぶのが賢明です。

3. 失敗しない無料アプリの選び方

「無料だからとりあえず入れてみよう」と安易に導入すると、後でデータ移行が大変になったり、現場が混乱したりする可能性があります。 選定時に必ずチェックすべき3つのポイントを解説します。

① 登録データの上限数を確認する

多くの無料プランには、登録できる商品数(SKU数)や、月間のデータ保存件数に上限があります。
  • 「商品数が500点あるのに、無料版は200点までだった」
  • 「過去の入出庫履歴が1ヶ月で消えてしまった」 といった事態にならないよう、自社の規模とプランの制限を照らし合わせましょう。

② CSVエクスポート機能の有無

これは元SEとして最も強調したいポイントです。 もしそのアプリが使いにくかったり、サービスが終了したりした場合、データを取り出せなければ全て手入力でやり直しになります。 「商品データ」と「入出庫履歴」をCSV形式でダウンロードできるかは、必須のチェック項目です。

③ 現場での使いやすさ(UI/UX)

機能が豊富でも、現場のスタッフが使いこなせなければ意味がありません。
  • ボタンは押しやすい大きさか?
  • スキャンの反応速度は速いか?
  • 専門用語ばかりで難しくないか? 実際に現場の担当者に触ってもらい、感想を聞くのが一番の近道です。

    4. 無料アプリの限界と有料化のタイミング

    無料アプリは素晴らしいツールですが、事業が拡大するにつれて限界が訪れます。 以下のような兆候が現れたら、有料プランや本格的な在庫管理システムへの移行を検討すべきタイミングです。
    • データ量が上限に達した: 商品数や入出庫回数が増え、無料枠で収まらなくなった。
    • 複数人での同時作業が増えた: 誰がいつ操作したかのログ管理が必要になった。
    • 複数の場所で管理する必要が生じた: 複数倉庫や拠点になった。

    筆者の視点

    「コストをかけたくない」という気持ちは痛いほどわかります。しかし、在庫管理のミスによる「欠品(機会損失)」や「過剰在庫(キャッシュフロー悪化)」の損害額は、月額数千円〜数万円のシステム利用料を遥かに上回ることがあります。 「守りの投資」 として、適切なタイミングで有料版へ切り替える経営判断も重要です。

    まとめ:まずはスモールスタートで在庫管理を改善しよう

    在庫管理アプリは、無料のものでも劇的に業務を効率化できるポテンシャルを持っています。
    1. まずは試す: スマホがあれば今すぐ始められます。
    1. 比較する: 比較表を参考に、自社に合いそうなものを1つ選んでみてください。
    1. 使い勝手を確認する: バーコードスキャンが容易か、画面が使いやすいかを確認してください。
    「在庫が合わない」「探す時間が無駄」といったストレスから解放される第一歩を、今日から踏み出してみませんか。
    もし、より本格的な在庫管理や、自社独自の運用フローに合わせたカスタマイズをご検討であれば、ぜひ一度ご相談ください。
     
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    この記事の筆者
    佐藤 徳洋
    日本物流学会会員、在庫管理アプリMonoCの運営を行う。
    東証プライム企業のシステムエンジニアとして働いている中で、古いシステムでは令和の業務を支えられないと感じ、新しい業務のやり方を模索中。