クラウドで在庫を管理するべき理由と現場での活用

リアルタイムに在庫を確認できる

クラウドで在庫を管理する最大の利点は、リアルタイムで在庫状況を確認できることです。
従来の方法では、在庫データの更新に時間がかかり、最新の情報を得るのが困難でした。
紙での管理は、紙のある場所に行かなければなりません。
また、書いてある情報は最新とは限りません。
しかし、クラウドで在庫管理していれば、入出荷や販売のたびにデータが即時更新されるため、常に最新の在庫状況を把握できます。
これにより、在庫切れや過剰在庫のリスクを大幅に軽減できます。

複数人で同時に共有できる

紙では同時に記入はできませんし、属座に複数人に共有することは難しいです。
エクセルでは、同じセルに入力した場合に競合が発生してしまします。
クラウドベースのシステムでは、複数のユーザーが同時にデータにアクセスし、更新することができます。
これにより、部門間や拠点間でのリアルタイムな情報共有が可能になります。
例えば、営業部門が在庫状況を確認しながら受注を行い、同時に倉庫部門が出荷準備を進めるといった、効率的な業務フローを実現できます。

コスト削減

クラウド型システムの導入により、大幅なコスト削減が可能です。
従来のオンプレミス型システムでは、サーバーの購入や維持管理、ソフトウェアのアップデートなどに多額の費用がかかりました。
ミニマムでも数百万円の導入費用を払う必要があります。
また、保守・運用費として毎月数万から数十万円の支払が発生することがほとんどです。
クラウドシステムでは、これらの費用が不要となり、使用量に応じた料金体系で利用できるため、特に中小企業にとっては大きなメリットとなります。
人数や利用料に応じて月額料金が設定されていることが多く、数千円から始められるサービスもあります。

セキュリティが強化される

クラウドサービスプロバイダーは、最新のセキュリティ技術を駆使してデータを保護しています。
暗号化、アクセス制御など、高度なセキュリティ対策が施されているため、自社でサーバーを管理するよりも安全性が高いと言えます。
また、災害時のデータ損失リスクも大幅に軽減されます。

分析と改善ができる

クラウド型システムは、豊富なデータ分析機能を備えています。
販売傾向、在庫回転率、季節変動など、様々な角度から在庫データを分析することができます。
これらの分析結果を基に、発注量の最適化や売れ筋商品の把握など、ビジネス戦略の改善に活用できます。
高度な在庫管理システムでは分析機能が備わっており、別途分析ツールやエクセルを用いる必要がないものもあります。
会社の規模や目的に応じて高度な在庫管理システムの導入を検討しましょう。

現場での活用

クラウド型の在庫管理システムは、多くの現場で活用することができます。

在庫状況をリアルタイムで外部に公開

クラウドシステムを活用することで、取引先や顧客に対してリアルタイムの在庫情報を公開することができます。
これにより、取引先は必要な商品の在庫状況を即座に確認でき、スムーズな発注が可能になります。
また、ECサイトと連携させることで、常に最新の在庫情報を反映させ、顧客の購買体験を向上させることができます。

モバイル端末の活用

スマートフォンやタブレットからクラウドシステムにアクセスすることで、現場での在庫管理が格段に効率化されます。
例えば、倉庫内での棚卸作業時にモバイル端末で直接データを入力したり、営業担当者が外出先で在庫状況を確認しながら商談を進めたりすることができます。
これにより、作業時間の短縮と正確性の向上が実現します。

他システムとの連携

クラウド型在庫管理システムは、他のビジネスシステムとの連携が容易です。
例えば、会計システムと連携することで、在庫金額の自動計算や財務報告の作成が簡素化されます。
販売管理システムと連携することで、在庫の更新や入出庫の実績を統合することができます。
また、生産管理システムと連携させることで、在庫状況に応じた生産計画の立案が可能になります。
このような連携により、業務全体の効率化とデータの一貫性が確保されます。
 
クラウド型在庫管理システムは、ビジネスの効率化と競争力強化に大きく貢献します。
リアルタイムの情報共有、コスト削減、セキュリティ強化など、多くのメリットがあります。
さらに、現場での活用を通じて、より柔軟で効果的な在庫管理が可能になります。
今後のビジネス環境の変化に対応するためにも、クラウド型システムの導入を検討する価値は十分にあるでしょう。
 
 
 
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この記事の筆者
佐藤 徳洋
日本物流学会会員、在庫管理アプリMonoCの運営を行う。
東証プライム企業のシステムエンジニアとして働いている中で、古いシステムでは令和の業務を支えられないと感じ、新しい業務のやり方を模索中。