最終仕入原価法

在庫評価方法のひとつで、期末(決算時など)に残っている全ての在庫を、その期で「最後に仕入れた時」の単価(仕入価格)を使って評価(計算)する方法です。

  1. 4月10日にリンゴを「1個100円」で仕入れ
  1. 9月20日にリンゴを「1個120円」で仕入れ
  1. 決算時にリンゴが30個残っていた
この場合、最後に仕入れた単価「120円」を採用します。 (途中で100円で仕入れた事実があっても、それは無視します)

メリットとデメリット

  • メリット:
    • 計算が非常にシンプルで簡単。
    • 最後に仕入れた伝票だけを見ればよいため、手間がかからない
  • デメリット:
    • 実際の在庫の取得原価(昔100円で買ったもの)と評価額がズレやすい
    • 期末直前の仕入れ価格がたまたま高騰・暴落すると、在庫評価額が実態と大きく乖離(かいり)するリスクがある。

ポイント

  • 中小企業で多い: 計算が簡便なため、多くの中小企業で採用されています。
  • 税務上の扱い: 税務署に在庫評価方法の届出を特にしない場合、自動的にこの「最終仕入原価法」が適用されます(法定評価方法)。
  • 会計上の扱い: 厳密な会計基準(上場企業など)では、原則として認められていませんが、重要性が低い在庫などでは容認されています。